まえがき
WindowsでWSL(Windwos Subsystem for Linux)にLinux環境をインストールして、Visual Studio/Visual Studio CodeでC/C++開発を行うための環境構築やTipsを記録として残しておきます。
今回はWSLのインストールおよび初期設定、起動・終了について記載します。
前提条件
今回の記事は以下の環境で実行しています。
- Windows: 11 22H2
- WSL: 2.2.4.0
- カーネル バージョン: 5.15.153.1-2
- ディストリビューション: Ubuntu 24.04
WSL/Linuxディストリビューションインストール
1. デフォルトインストール
WSLとLinuxの規定のUbuntuディストリビューションをインストールする場合は、PowerShellで次のコマンドを実行することでインストールできます。
wsl --install
2. WSLバージョン更新
WSLのバージョンを更新するには以下のコマンドを実行します。
wsl --update
上記ではMicrosoft Storeから更新プログラムがダウンロードされます。
Microsoft Storeではなく、GitHubからダウンロードしたい場合は、--web-download
オプションを付けてコマンドを実行します。
wsl --update --web-download
3. ディストリビューションの選択インストール
規定のUbuntuディストリビューション以外をインストールしたい場合は、次のコマンドで利用可能なディストリビューション一覧を表示することができます。
wsl --list --online
実行すると、以下のように結果が表示されます。
NAME FRIENDLY NAME Ubuntu Ubuntu Debian Debian GNU/Linux kali-linux Kali Linux Rolling Ubuntu-18.04 Ubuntu 18.04 LTS Ubuntu-20.04 Ubuntu 20.04 LTS Ubuntu-22.04 Ubuntu 22.04 LTS Ubuntu-24.04 Ubuntu 24.04 LTS OracleLinux_7_9 Oracle Linux 7.9 OracleLinux_8_7 Oracle Linux 8.7 OracleLinux_9_1 Oracle Linux 9.1 openSUSE-Leap-15.6 openSUSE Leap 15.6 SUSE-Linux-Enterprise-15-SP5 SUSE Linux Enterprise 15 SP5 SUSE-Linux-Enterprise-Server-15-SP6 SUSE Linux Enterprise Server 15 SP6 openSUSE-Tumbleweed openSUSE Tumbleweed
「NAME」列の名前を指定することで該当のディストリビューションをインストールすることができます。
wsl --install Ubuntu-24.04
WSL/Linuxディストリビューション初期設定
1. デフォルトユーザ設定
wsl --install
コマンドでディストリビューションをインストールすると、最初にデフォルトユーザ名とパスワードを聞かれますので、好きなユーザ名とパスワードを入力します。
インストール中: Ubuntu 24.04 LTS Ubuntu 24.04 LTS がインストールされました。 Ubuntu 24.04 LTS を起動しています... Installing, this may take a few minutes... Please create a default UNIX user account. The username does not need to match your Windows username. For more information visit: httpowershell://aka.ms/wslusers Enter new UNIX username: <ユーザ名を入力> New password:<パスワードを入力(タイプしても表示されない)> Retype new password:<パスワードをもう一度入力(タイプしても表示されない)> passwd: password updated successfully Installation successful! To run a command as administrator (user "root"), use "sudo <command>". See "man sudo_root" for details. Welcome to Ubuntu 24.04 LTS (GNU/Linux 5.15.153.1-microsoft-standard-WSL2 x86_64) * Documentation: https://help.ubuntu.com * Management: https://landscape.canonical.com * Support: https://ubuntu.com/pro System information as of Sun Aug 4 22:37:19 JST 2024 System load: 0.04 Processes: 52 Usage of /: 0.1% of 1006.85GB Users logged in: 0 Memory usage: 4% IPv4 address for eth0: 172.29.53.122 Swap usage: 0% This message is shown once a day. To disable it please create the /home/<user_name>/.hushlogin file.
ユーザ名/パスワードを設定すると、インストールしたディストリビューションのシェルが立ち上がります。
<user_name>@<pc_name>:~$
2. rootパスワード設定
Ubuntuではインストール直後はrootのパスワードが設定されていないため、自分で設定する必要があります。
Ubuntu側のシェルで以下のコマンドを入力します。
~$ sudo passwd root
sudo
コマンドを実行したアカウント(インストール時に設定したユーザ)のパスワードと、rootアカウントに設定するパスワードを入力します。
[sudo] password for <user_name>: <インストール時に設定したユーザのパスワード> New password:<root用のパスワード> Retype new password:<root用のパスワード再入力> passwd: password updated successfully
su -
コマンドでrootユーザに切り替えて、パスワードが設定されていることを確認します。
~$ su -
Password:<root用のパスワード>
root@<pc_name>:~#
exit
コマンドで元のユーザに戻ります。
~# exit
logout <user_name>@<pc_name>:~$
またはsu - <user_name>
でも元のユーザに戻れます。
~# su - <user_name>
<user_name>@<pc_name>:~$
WSL起動/終了
1. ディストリビューションから抜ける(Linux シェル終了)
起動中のLinux シェルから抜けるためにはexit
コマンドを実行します。
(先ほど)
~$ exit
logout この操作を正しく終了しました。
2. WSL実行(Linuxシェル起動)
WSLを実行し、Linuxシェルを起動する場合はPowerShell上でwsl
コマンドを実行します。
引数に何も指定しない場合はデフォルトのUbuntuディストリビューションが起動します。
wsl
特定のディストリビューションを起動したい場合は-d
オプションでディストリビューション名を指定します。
wsl -d Ubuntu-24.04
3. WSLシャットダウン
実行中のすべてのディストリビューションとWSL2の仮想マシンを終了するためには、PowerShellから以下のコマンドを実行します。
メモリの使用制限を変更する場合や .wslconfig ファイルを変更する場合など、WSL2仮想マシン環境の再起動を求められる場合に必要となります。
wsl --shutdown
4. ディストリビューション実行停止
指定したディストリビューションを終了/実行を停止するには、PowerShellから以下のコマンドを実行します。
wsl --terminate Ubuntu-24.04
その他の情報
Microsoft公式のWSLドキュメントを参照してください。
まとめ
今回はWSLのインストールおよび初期設定、起動・終了について説明しました。
次回は、Visual Studio/Visual Studio Codeでコーディング/デバッグを行うための初期設定について書こうと思います。